【厳選15冊】教養のためのおすすめ本~読書で教養を身につける~

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【厳選15冊】教養のためのおすすめ本

「教養」が何となく良いものだ、という感覚は多くの人が共有するところでしょう。

しかし、実際に教養を身につけることは、どんなメリットがあるでしょうか?

山口周著『独学の技法』において、「教養ーリベラルアーツ」の重要性が説かれています。

誰でも武器を買うときは丈夫で長持ちするものにしたいと思うでしょう。そういう意味で、リベラルアーツというのは、もっとも長く使うことができる「知の武器」だと言えます。

山口 周『知的戦闘力を高める 独学の技法』ダイヤモンド社

教養というのは、私たちが生きていく上の基礎的な装備です。

武器は、ライフステージや仕事などの必要性に応じて、より適切にカスタマイズすることもあります。

しかし、その際に基礎装備がしっかりしていなければ、とんでもなく脆い武器になりかねない、、

だからこそ、一生の間使える武器としての「教養」を学ぶわけです。

ちなみに『独学の技法』では「どんな武器となるのか」という点についても語られます。

教養を学ぶべき理由
  • イノベーションを起こす武器となる
  • キャリアを守る武器となる
  • コミュニケーションの武器となる
  • 領域横断の武器となる
  • 世界を変える武器となる

気になる方はぜひ読んでみてください。

目次

読書は教養を身につけるのにピッタリの手段

しかし、「教養」とは一朝一夕で身につくものではありません。

それではどうすれば良いのか?

実は、じっくりと教養を身につけるのにピッタリなのが読書です。

1冊の本を読むことは、次のような行為に分解できます。

読書とは?
  •  知識を体系的に学ぶ
  •  他者(著者)の解釈に耳を傾ける
  •  学んだことについて自分なりに考える

教養を身につけるとは、ただ物事を暗記するのではありません。

これらのステップを地道に積み重ね、自分なりに使えるストックとしていくことです。

教養のためのおすすめ15冊

今回は、教養を身につける足がかりとなる本を厳選して紹介していきます。

読みやすさも考慮した選書になりますので、ぜひ気になる本から手に取ってみてください。

『本を読む本』(M.J.アドラー / C.V.ドーレン)

学びのために本を読みたい方は、まず本書がおすすめ。

原書名は英語で”How to Read a Book”ということで、直訳すると「本を読む方法」です。

内容を一言で表すとすると、「本のインプットを突き詰めた本」です。

読書本といえば、読んだ知識を定着させるノウハウやアウトプットの方法などが紹介されることも多いのですが、この本は「読む」に一点特化した内容といっても過言ではありません。

本書では、読書のレベルを次の4段階に分けて、それぞれ解説されています。

読書のレベル
  • 初級読書・・・「その文は何を述べているか」が分かる。
  • 点検読書・・・与えられた時間に出来るだけ内容を把握する
  • 分析読書・・・本を理解・解釈・批評する
  • シントピカル読書・・・同一の主題について2冊以上の本を読む

特に「3.分析読書」までは学びのために本を読むのであれば、ぜひ身につけておきたい技術です。

ボールをキャッチするためには、速球だろうと変化球だろうと、巧みに捕らえる技術が必要だ。これと同じで「読む」場合も、あらゆる種類の情報をできるだけ巧みに捕らえられる技術がなければならない。

M.J.アドラー / C.V.ドーレン『本を読む本』講談社学術文庫

『サピエンス全史』(ユヴァル・ノア・ハラリ)

1冊で人類の歴史を網羅できるのが本書『サピエンス全史』

とにかくワクワクする本が読みたいのであれば、非常におすすめです。

自然の一部だったホモ・サピエンスはいかにして現在の繁栄に辿り着いたのか

そこには、「認知革命」「農業革命」「科学革命」の3つのターニングポイントがありました。

本書は、イスラエルの歴史学者・哲学者のユヴァル・ノア・ハラリが、あらゆる知見を駆使して、壮大な人類の旅路を記した大作です。

ボリュームはありますが、ページをめくる手が止まらない面白さがあります。

先史時代に人類について、何を置いても承知しておくべきなのは、彼らが取るに足りない動物に過ぎず、環境に与える影響は微々たるもので、ゴリラやホタルやクラゲと大差なかった点だ。

ユヴァル・ノア・ハラリ『サピエンス全史』河出文庫

『言語の本質』(今井 むつみ/秋田 喜美)

本書のテーマは、私たちにとっても身近な「オノマトペ」です。

オノマトペは言語のようでありながら、言語学者からは正式な言語として扱われないものでした。

しかし、だからこそ著者は、オノマトペが「記号接地問題」「言語習得」「言語進化」を解き明かし、さらに「言語の本質」へと迫る鍵になるといいます。

私たちはいかにして言語を習得したのか?
どうして人間だけが言語を持つのか?

当たり前過ぎるが故に、私たちは普段「言語」について考えることはありません。

しかし、考えれば考えるほど不思議な世界が広がっているのです。

人間は、アブダクションという、非論理的で誤りを犯すリスクがある推論をことばの意味の学習を始めるずっと以前からしている。それによって人間は子どもの頃から、そして成人になっても論理的に過ちを犯すことをし続ける。しかし、この推論こそが言語の習得を可能にし、科学の発展を可能にしたのである。

今井むつみ/秋田喜美『言語の本質』中公新書

『13歳からの地政学』(田中 孝幸)

国際関係の緊張の高まりから、近年注目度が上がっている地政学。

その入門として1冊目におすすめしたいのが本書です。

高校1年生の大樹とその妹の杏が、近所のアンティークショップの店主「カイゾク」から、地政学について話を聞くというストーリーです。

2人と「カイゾク」の会話形式でとても読みやすい本ですが、入門だからといって侮ることなかれ。

最後に「カイゾク」から出される問題は、答えのない難しい問いです。

ぜひ2人と一緒に考えてみてください。

あまり考えないでいられるのは、日本が強い側にいたからだ。いじめっ子は自分がいじめたことをよく覚えていないが、いじめられっ子はよく覚えているだろう。

田中孝幸『13歳からの地政学』東洋経済新報社

『14歳からの哲学入門』(飲茶)

教養といえば外せないのが哲学。

西洋哲学に興味を持ったなら、まずは本書を読んでみましょう。

デカルト以降の近代哲学に焦点を当てて、近代哲学の流れを「合理主義→実存主義→構造主義→ポスト構造主義」に切り分けて、各時代の哲学思想が紹介されていきます。

哲学史を学ぶのであれば、哲学者が「何を言ったか」を覚えるのではなく、哲学者が「どのような流れの中で言ったか」を掴むのがポイントです。

本書は、近代哲学の本流をしっかり押さえることができる上、分かりやすさと面白さも折り紙つきです。

本書は、歴史に名だたる偉大な哲学者たちを十四歳の子供と同レベルだと断ずる本である。それは、哲学のハードルを下げて「哲学って本当は簡単なんですよ」などと言うためではない。哲学とは、もともと、幼稚な発想や誇大妄想のコジツケを「臆面もなく主張する」ことによって成り立っているものであり、十四歳頃に誰もが味わう「常識の崩壊」を乗り越えるためのものであるということを強く訴えたいからである。

飲茶『14歳からの哲学』二見書房

本書の著者飲茶は、『史上最強の哲学入門』も非常におすすめ。

難解なイメージを持たれがちな哲学をかみ砕いて説明するのが本当に上手いです。

あわせて読みたい

『暇と退屈の倫理学』(國分 功一郎)

哲学からはもう1冊ご紹介。

哲学に興味がある人のみならず、幅広い層の読者を獲得した非常に優れた良書です。

本書は、一言でいえば「私たちにとって暇とは何か、そして退屈とどう向き合うべきかに答える本」です。

哲学だけではなく、考古学、生物学、社会学などの様々な知識を総動員し、人類が長い間直面してきた「退屈」というテーマに挑みます。

「退屈」とは、私たちの生き方にも直接関わる重要なテーマです。

哲学への興味のあるなしに関わらず読んでおいて損はありません。

人はパンがなければ生きていけない。しかし、パンだけで生きるべきでもない。私たちはパンだけでなく、バラももとめよう。生きることはバラで飾られねばならない。

國分功一郎『暇と退屈の倫理学』新潮文庫

『社会学史』(大澤 真幸)

社会学の解説本はたくさんありますが、その中でも特におすすめなのが本書。

新書にして600ページというとんでもないボリュームですが、コスパは圧倒的に良いです。

紹介される社会学者
  • アリストテレス
  • ホッブス
  • ルソー
  • オーギュスト・コント
  • マルクス
  • フロイト
  • デュルケーム
  • ジンメル
  • マックス・ヴェーバー
  • パーソンズ
  • フーコー
  • ルーマン

一般的な社会学史では扱われない、ルソーやフロイト、マルクスなんかの説明も明晰です。

この1冊だけでだいぶ賢くなった気がするくらい、広範な教養が得られます。

社会秩序がなぜあるのか?なぜ成立できているのか? つまり、「社会秩序はいかにして可能か?」。これが社会学の固有の主題なのです。

大澤真幸『社会学史』講談社現代新書

『はじめての経済思想史』(中村 隆之)

経済学といえば数学を用いるというイメージもあり、なかなかその全容が掴みづらいイメージです。

本書は、そんな経済学の歴史の流れを理解するのに最適な1冊。

経済学の主題は、「どうすればよいお金儲けを促進し、悪いお金儲けを抑制できるか」だと著者はいいます。

悪いお金儲けが力を持つたびに、それに対抗する手段を講じていくための思想の展開が、経済学の歴史なのです。

現代を生きる私たちの労働が「よいお金儲け」に繋がる社会にいかにできるか。

そのことを考えるために、経済学史を学ぶことは非常に有効なのです。

私の仕事は、消費者に無駄に高度な製品をつかませることではない。私の仕事は、ほんとうの意味で生活をよくする製品を作ることだ。だから、会社をその方向に向けていこう。そう言いたくても言えないのはなぜか?なぜ、社会に向き合う心を偽らなければならないのか?あるいは、偽っていることすら忘れなければならないのか?その根源には、会社はその所有者=株主の利益のための器であるという大前提がある。現状、働く者はその器のなかでしか働けないのである。

中村隆之『はじめての経済思想史 アダムスミスから現代まで』講談社現代新書

『行動経済学の使い方』(大竹 文雄)

近年マーケティングなどの分野でも注目を浴びている行動経済学。

行動経済学をざっくりと説明するのであれば、

「経済学で想定される人間って賢すぎて現実味ないよね」

という考え方のもとで研究されている分野です。

本書では、行動経済学の基本、そしてその研究が反映された「ナッジ」と呼ばれる手法が、公共政策、医療の場でどのように用いられているかが解説されます。

そして「ナッジ」は、「つい先延ばしにしてしまう」といった私たちとって身近な悩みにも効果を発揮するものです。

ぜひ本書で「行動経済学の使い方」を学んで、身の回りに活用してみましょう。

ホモ・エコノミカスとは、利己的で高い計算能力を持って、すべての情報を用いた合理的意思決定を行う人間のことである。伝統的経済学では、そのような人間像を前提に経済学を構築してきた。しかし、1980年代から発展してきた行動経済学では、人間の意思決定には伝統的な経済学で考えられている合理性から系統的にずれるバイアスが存在することが示されてきた

大竹文雄『行動経済学の使い方』岩波新書

『統計学が最強の学問である』(西内 啓)

今では、ビジネスパーソンのスキルの1つともされる統計学。

しかし、そんな統計学が大きな影響を持ち始めたのは、実はここ最近のことです。

ペンと紙で地道にデータを記録する他ない時代において、大量のデータを必要とする統計学はその力を発揮できずにいたからです。

本書の特徴は、その発展の歴史を通じて統計学の基礎を学ぶという構成です。

それぞれの統計的手法の特長だけではなく、限界もまた存在という点を理解することができます。

統計リテラシーを身につけることで、これまで蓄積された多くの統計データを正しく読み解くことが可能になります。

それは先人たちの知恵、すなわち「巨人の肩」に立つことに他なりません。

近代物理学を生み出したアイザック・ニュートンは「私が遠くを見ることができているのだとすれば、それは巨人の肩に立っていたからです」という言葉を残している。巨人とはすなわち「先人たちの知恵」という意味だ。先人たちの積み重ねた知恵をきちんと学び、その上に立脚することができれば自分だけの頭を絞るよりも遥かに先を見通せるはずである。

西内啓『統計学が最強の学問である』ダイヤモンド社

『本当の自由を手に入れる お金の大学』(両@リベ大学長)

著者は、YouTuberとしても活躍する両学長。

金融教育が行き届いていない日本において、日本人の金融リテラシー向上への影響力は計り知れません。

教養としての「お金」について理解したい方は、まずは本書がおすすめです。

お金の話といえば、資産運用がイメージされがちです。

しかし、これは個人的考えですが、資産運用についての情報発信はポジショントークが多すぎるため、投資に十分なリソースを割けない一般人は深入りすべきではないと思っています。

その点本書は、その半分くらいのページを「節約の方法」に割いているのがポイントです

「稼ぐことばかりに注力しても、じゃぶじゃぶお金を使っていたらお金は貯まらない」

当たり前ですが重要なことを教えてくれる1冊です。

私たちが「読み書き」できるのは、それを学んできたからです。お金がないのは、お金について学んでこなかったからです。とても単純な話です。

両@リベ大学長『本当の自由を手に入れる お金の大学』朝日新聞出版

『AIvs教科書の読めない子どもたち』(新井 紀子)

「AI」というワードにますます期待が膨らんでいる現在こそ、必読なのが本書。

著された当時と今とでは少し状況は異なりますが、

「現在のディープラーニングの延長線上には、シンギュラリティは起きない」

そう断言する著者の主張は実に説得力があります。

しかし、「シンギュラリティは起きないから安心」ではない、というのが本書の主旨です。

AIがこれまで苦手としてきた読解力は、今の子どもたちも苦手としているからです。

2024年現在、chatGPTやBardの登場に見られるように、自然言語処理の技術は飛躍的に向上しています。

子どもに限らず、私たちの平均的読解力は、既にchatGPTに太刀打ちできない可能性があります。

著者の鳴らしている警鐘は、既に現実のものになりつつあるかもしれません。

真の意味でのAIが人間と同等の知能を得るには、私たちの脳が意識・無意識を問わず、認識していることを全て計算可能な数式に置き換えることができる、ということを意味します。しかし、今のところ、数学で数式に置き換えることができるのは、論理的にいえること、統計的にいえること、確率的にいえることの3つだけです。そして、私たちの認識を全て論理、統計、確率に還元することはできません。

新井紀子『AI vs. 教科書が読めない子どもたち』東洋経済新報社

『シン・二ホン』(安宅 和人)

オワコンと言われて久しい日本ですが、その現状と復活の可能性について論じた1冊。

日本の将来を憂う部分が続くため暗い気持ちになりますが、目をそらしてはいけない現実があることが分かります。

もちろんしっかりと復活の鍵が提言されており、それがデータ×AI人材育成です。

著者安宅和人は『イシューからはじめよ』も有名ですが、本書は日本への熱い思いを感じる良書です。

確かに日本にとっても人類にとっても、相当にしんどい局面ではある。しかし、手なりの未来を受け入れ難いとき、それをそのままに待つのは負けだ。人間の持つ、おかしな未来が来ることを予測する力は、予測される未来を引き起こさないためにある。

安宅和人『シン・ニホン』NewsPicksパブリッシング

『科学哲学への招待』(野家 啓一)

「科学哲学」というのは、「科学という知的活動を対象とした哲学的考察」です。

現代において、あまりにも自明である科学への信頼ですが、「科学哲学」というのはその科学を相対的に分析する分野といっても差し支えないでしょう。

科学哲学に興味はない方でも、本書の第一部「科学史」は非常に有益です。

ガリレオやニュートンといった科学者が「何を発見したか」だけではなく、「そこにどのような意義があるのか」が分かります。

科学は一般に「観察や実験などの経験的方法に基づいて実証された法則的知識」と定義できる。このような知識形態が成立したのは十六世紀半ばから十七世紀にかけてのヨーロッパにおいてであった。つまり、科学の成立は近代ヨーロッパに生起した一つの歴史的出来事であり、この出来事は「科学革命」と呼ばれている。

野家啓一『科学哲学への招待』ちくま学芸文庫

『USJを劇的に変えた、たった1つの考え方』(森岡 毅)

仕事上マーケティングの本もたくさん読んできましたが、入門としては本書がベスト。

著者は、かつてUSJを復活させ、今なお一線で活躍するマーケター森岡毅です。

マーケティングフレームワークや戦略と戦術の違いなど、マーケティングの基本が詰まっています。

「マーケティングなんて自分には関係ない」という方も、購買の意思決定を行う消費者として、企業のマーケティング活動と無縁ではありません。

誰もがマーケティング的視点を学ぶことの意義は、「賢い売り手になれる」こと以上に、「賢い買い手になれる」ことにあると思います。

・この広告は都合の良い部分だけを謳っているな
・こういう顧客として振る舞うことで優良サービスを受けられそうだ

みたいな視点を持つことに繋がり、冷静で賢い消費者になることができるからです。

マーケティングの本質とは「売れる仕組みを作ること」です。どうやって売れるようにするのかと言うと、消費者と商品の接点を制する(コントロールする)ことで売れるようにするのです。

森岡毅『USJを劇的に変えたたった1つの考え方』角川書店

ちなみに森岡毅の著作であれば、やや専門性が増しますが『確率思考の戦略論』もおすすめです。

終わりに

この記事では、教養をつけるための必読書を厳選して紹介しました。

読んでみて面白いと思った分野があったら、その分野についての関連書籍を読んでみましょう。

きっとあなたの世界は広がっていくはずです。

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この記事を書いた人

大学時代は社会学専攻。
現在は、事業会社のWEB/メールマーケティングに携わる。


月5~10冊ほど読書します。
好きなジャンルは哲学、社会科学、マーケティング、データサイエンスなどで、知的好奇心に突き動かされジャンル問わず読みます。

土曜の朝の「さて今日は何をしよう」というぼんやりした時間が1週間で1番好きです。

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