【読書初心者おすすめ】読みやすい小説10選

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なにごとも最初のきっかけって重要ですよね。

「読書にハマったきっかけは何ですか?」と読書好きの友達に聞いてみてください。

100/100人が、各々の思い出の本を答えてくれるでしょう。

「これまであまり本を読んでこなかった」という方にも、ぜひ読書のきっかけとなる本に出合って欲しい。

その思いから今回は、読書を始めるきっかけとなる読みやすくて面白い小説を10冊紹介していきます。

目次

読書初心者にとっての「読みやすい小説」とは?

そもそもどんな作品が「読みやすい」といえるでしょうか?

私が考える読みやすいの基準は以下の3つです。

読みやすい小説とは?
  • 文量が少ない
  • 文章が平易で会話が多い
  • しっかりと展開がある

文量が少ない

小説のイメージ

「そんなの当たり前でしょ」と思うかもしれませんが、けっこう重要なことです。

なぜなら満足度の高い読書とは、次のようなものだからです。

✔ 気づいたら読み終わっていた
✔ もう少しこの世界に浸っていたい
✔ 読後の余韻が抜けない

一言でまとめるとすれば、それは「没入感」ではないでしょうか。

「没入感」を得るために必要なのは、集中力を切らさず物語に浸って読むことです。

本をあまり読まないのに、500ページもあるような本を集中力を切らさず読むのは至難の業。

まずは読み切れそうな分厚過ぎない本を読んでみましょう。

目安としては、文庫で200ページ、長くても300ページくらいまでが望ましいでしょう。

幸いにも世の中には短くて面白い本が山ほどあるので、後ほど紹介していきます。

文章が平易で会話が多い

会話の様子

「わざと難しく書いているかのような難解な文章」は、本を読む上での最大の敵です。

読書に慣れてきた人であれば、逆にその文章に作家の魅力を感じることもありますが、最初からそんな作品を読んでしまっては挫折のもと

文章が平易な本、特に登場人物の会話が多い作品が良いでしょう。

会話であれば、漫画のような感覚で読めるんですよね。

しっかりと展開がある

展開がある本

話の展開が乏しい、ストーリーがあまりない作品は読むのはしんどいです。

もちろん、中には「文章だけで読ませる」作品も数多くあります。

しかし、読書初心者がそのような作品にいきなり手を出してしまうと、「面白くない」「つまらない」と感じてしまう可能性が高い。

となると、やはり展開が早く退屈しない作品から選ぶべきです。

ミステリー小説が一番読者のすそ野が広いのもこの理由かもしれませんね。

やはり、ハラハラドキドキ、この後どうなるんだろうと思えるような作品がおすすめです。

読書初心者におすすめの小説10選

ここまで挙げた3つの「読みやすい小説」の条件を踏まえて、読みやすい小説を厳選してみました。

あらすじも併せて紹介するので、興味がある作品をぜひ手に取ってみてください。

『何者』(朝井 リョウ)

直木賞を受賞し、その後映画化もされている、朝井リョウさんの話題作。

就職活動をテーマとして、5人の大学生を中心に話が進んでいきます。

登場人物のSNSでの発言にも焦点が当たっており、現代の若者の人間関係をリアルに描き出します。

自分の就職活動を思い出し、共感できる点がありながらも、最後に待ち受けるのは意外な展開。

それにしても朝井リョウは、若者の繊細な心を表現するのが本当にうまい。

登場人物の言動が、認めたくないけど分かるような絶妙なところを突いてきます。

誰しもが、純粋な理想と醜さを同時に持ち合わせているということを、私たちに突き付けてくるんですよね。

『コンビニ人間』(村田 沙耶香)

芥川賞を受賞した衝撃の作品。

まさにタイトル通りの「コンビニ人間」である主人公。

全ての言動や思考、感覚など、コンビニで働くために備わっているのかと思えるほど、コンビニ店員としての業務に適応しています。

そんな主人公の前に、白羽という新入りの男性がやってきて、それをきっかけに働き方や結婚など現実的な問題が主人公に降りかかります。

果たして主人公は最後にどんな人生を選ぶのか、、

文庫版で約160ページとコンパクトな文量ながら、「普通の生き方」について考えさせられます。

『舟を編む』(三浦 しをん)

本屋大賞を受賞した、三浦しをんの代表作。

編集部に引き抜かれた主人公馬締光也が、新しい辞書『大渡海』の完成に向け奮闘する物語です。

1冊の辞書にこんなにも多くの人の思いが詰まっていると思うと、思わず辞書を開いてみたくなるような作品。

また、三浦しをんの作品の特徴として、登場人物の一人一人に個性があり何とも言えない魅力を発していることです。

本作も例にもれず、主人公をはじめとする魅力的なキャラが登場し、彼らが交わすテンポのいい会話にハマること間違いありません。

『君の膵臓をたべたい』(住野 よる)

本作は、その印象的なタイトルから知っている人も多いのではないでしょうか?

実写映画化もされており、とても話題になった作品です。

高校生の僕と、膵臓の病気を患って余命宣告を受けたクラスメイトの山内桜良の織り成す物語。

一見恋愛小説のように思えますが、そこには恋愛を超えた2人の関係性が描かれます。

「僕」の方が根暗で、余命宣告を受けている咲良が底抜けに明るいというのがポイント。

重いテーマを扱っていながら、話自体はとても明るい雰囲気で、2人の行く末が気になり没入できます。

友情でも恋愛でもない2人の不思議な関係の結末を、ぜひ確かめてみてください。

『グラスホッパー』(伊坂 幸太郎)

伊坂幸太郎の殺し屋シリーズの1作目『グラスホッパー』

「殺し屋」の話と聞くと物騒な感じがしますが、とてもコミカルに「殺し屋」を描いた作品です。

本作の魅力は、なんといっても登場するキャラの濃い「殺し屋」たち。

「鯨」「蝉」「槿」など独特の名前で活動する「殺し屋」たちは、誰もが決まった殺しのこだわりや考え方があります。

伊坂幸太郎さんの作品に共通していえることですが、本作も非常に展開がスピーディーで息つく暇がなく、読み始めたら止まりません。

寝る前に読み始めるなら、寝不足にご注意を。

ちなみに私は、『殺し屋シリーズ』の中では『マリアビートル』が一番好きですね。

結構ボリュームもありますが、『グラスホッパー』が面白ければぜひどうぞ。

『夏と花火と私の死体』(乙一)

乙一(おついち)のデビュー作『夏と花火と私の死体』

本作を乙一が17歳で書いたというから驚きです。

本作があまりにも斬新なのは、語り手が死体であるという点。

語り手である主人公は冒頭で殺されてしまいます。

普通であればそこで語り手は変わるものですが、本作ではそのまま死体目線で話が進みます。

殺人を隠すために、殺した人たちが自分を隠そうとする様子を、淡々と死体目線で語る言いようもない不気味さ、、

ただ、子どもたちが主人公の話ともあり、作品全体のテーマはおぞましさや醜さではありません。

さわやかなホラー(?)という謎のジャンルと言うべきでしょうか。

『告白』(湊 かなえ)

イヤミス女王こと、湊かなえのデビュー作『告白』

我が子を校内で亡くした中学校の女性教師と、その死因として疑われた2人の生徒の物語。

私が高校生の時に読んでもん絶した作品です。

インパクトのある冒頭から、ラストに1ページに至るまで衝撃の連続。

「一度読み始めたら、ページをめくる手が止まらない」とは、こんな本のことを言うんだなと、当時思った記憶があります。

湊かなえの作品は、スピーディかつ意外性のある展開が多いので、読書初心者にはおすすめ。

ただし、心を削ってくる系の話が多いので、それに耐えうるメンタルのときだけ読むべきですね。

『羊と鋼の森』(宮下 奈都)

2016年本屋大賞を受賞した作品です。

ピアノ調律の世界に入り成長していく主人公。

その心情が、とても奥ゆかしい文章で語られ、その悩みや葛藤をありありと感じることができます。

本作を一言で表すのであれば、「美しい」という言葉に尽きます。

ピアノ調律はとても繊細な技術が要求されるものであり、そんな世界が静謐な文章で綴られます。

ちなみに私は残念ながら音楽には疎いのですが、夢中で読むことができました。

音楽に詳しくないと楽しめない話ではありませんのでご安心を。

『推し、燃ゆ』(宇佐見 りん)

彗星のごとく現れ、弱冠21歳で芥川賞を受賞した宇佐見りんの『推し、燃ゆ』

冒頭「推しが燃えた。ファンを殴ったらしい。」から始まる本作は、各所に現代らしさが散りばめられています。

今では当たり前の概念となった「推し活」

本作で登場するのは、単に「推し活」に明け暮れるに留まらず、「推し」を自身にとっての「背骨」だと言うのあかり。

あかりの生き方を通して、私たちが共通に抱える生きづらさが見事に表現されています。

150ページというコンパクトなボリュームで非常に読みやすいのもポイントです。

『52ヘルツのクジラたち』(町田 そのこ)

最後は、2021年の本屋大賞1位の『52ヘルツのクジラたち』

タイトルにもなっている「52ヘルツのクジラ」とは、他のクジラが聞き取れない高い周波数で鳴くクジラのこと。

調べてみると、定期的に52ヘルツの鳴き声は観測されているようで、実際にそんな孤独なクジラが存在しているんですね。

本作は、家族から搾取されてきた主人公の貴瑚が、過去を断ち切って移住した街で、ある少年と出会うことで始まります。

貴瑚は、同じく虐待を受けているであろうその少年と心を通わせ、少年に「52」と名付ける。

「どんなに孤独だと感じていても、その思いが通じる人が世界のどこかにいる」

という強いメッセージ性を感じられる感動作です。

終わりに

今回は、読書初心者におすすめの小説10選を紹介してきました。

こうしてみると本屋大賞の作品がとても多いですね。

本屋大賞は、書店員の投票だけで選ばれる賞です。

他の文学賞と比べても、最も一般読者の感性に近い作品が選ばれているので、読者初心者の方は本屋大賞を参考に選んでみると良いかもしれません。

私としては、これらの作品を機に皆さんにもぜひ読書の沼にハマって欲しい。

今回紹介した作品は、すべて外れがない作品ばかりなので、ぜひ読んでみてください。

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この記事を書いた人

大学時代は社会学専攻。
現在は、事業会社のWEB/メールマーケティングに携わる。


月5~10冊ほど読書します。
好きなジャンルは哲学、社会科学、マーケティング、データサイエンスなどで、知的好奇心に突き動かされジャンル問わず読みます。

土曜の朝の「さて今日は何をしよう」というぼんやりした時間が1週間で1番好きです。

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